ここで取り上げる触媒の研究例はハーバー・ボッシュ法であり、肥料用のアンモニアを工業規模で生産するものです。 ハーバー・ボッシュ法とは、高温高圧下で金属触媒を使って窒素と水素を反応させてアンモニアを生産します。触媒の研究は常に進歩しており、現在ではさまざまな触媒が見つかっています。 ハーバー・ボッシュ法では当初、触媒としてオスミウムを使用していました。現在は、触媒に鉄鉱石が使用されています。
触媒の研究はパイロット・プラントで展開されます。パイロット・プラントは、反応、材料特性、プロセスの歩留まりなどについて貴重な初期段階の科学的データを提供することで、大規模なプロセス・プラントに関連する技術的・商業的リスクを軽減します。この研究では圧力、温度、流量、反応時間など、すべてのパラメーターをモニターしながら実験が行われます。その目的は、プロセスの歩留まりを恒常的に改善したり、より高い歩留まりを持つ新しいプロセスを開発することです。
アプリケーションの要件
標準的なハーバー・ボッシュ法を、2台の当社製サーマルマスフローコントローラ（MFC）で行います。1台のマスフローコントローラは窒素を供給し、もう1台は水素を供給します。窒素と水素の比率は1:3です。プロセスラインからコンプレッサーに送られ、その後ヒーターに送られます。標準的な反応の圧力と温度は1450 psi、750～930℉です。
機器の特長
- マスフローコントローラによる繰り返し精度の高いガス制御により、正確なガスの混合比率を実現する
- EtherNet/IPまたはPROFINETデジタル通信プロトコルを介してマスフローの状態をモニターすることで、長期にわたるセンサーの安定性と高精度を実現します
- UL、ATEX、IECEx、KOSHA、FM、CSAなどの認証を取得しています
プロセスソリューション
当社のSLAシリーズマスフローコントローラは、触媒反応に必要なガス流量を正確に制御します。プロセスが触媒層を通過すると、気体となって反応器から排出されます。その後、ガスは熱交換器を通過し、熱交換器から凝縮器に入ります。凝縮器に入ると、アンモニアは液体状態になります。冷媒ユニットを出たアンモニアは、当社のコリオリ流量計で測定や制御をすることができます。
また当社のSLAシリーズは、お使いになる環境に適した、UL、ATEX、IECEx、KOSHA、FM、CSAなどの認証を取得しています。さらに、EtherNet/IPやPROFINETデジタル通信プロトコルを活用することで、インテリジェントなプロセスを実現します。
デジタル通信プロトコルを備えたSLAマスフローコントローラとコリオリ流量計を使用することで、お客様は反応速度を高めた化学反応と、目的の生成物を増やし不要な副生成物の量の低減を期待することができます。